午後の紅茶とティーワッフル
その店は藤沢の駅前から少し離れた小さな公園の向いにあった。
知らないとなかなか気づかないビルの二階だったが、紅茶好きにはあまりにも有名でいつも紅茶や甘いものを楽しみたい若い方から中高年の女性客やカップルでいっぱいだった。
お店の名前が「ディンブラ」と聞けば、店主のセイロン産紅茶へのこだわりが一見してわかる。
白を基調としたある程度席数もある広い店内には、紅茶だけでなく名物の紅茶のシロップを添えたティーワッフルを目当てにしているお客さんも多かったのではないだろうか。
今は亡きお店の店主”磯淵猛”氏は、誰もが知っている某ドリンクメーカーの大ヒット「午〇の紅茶」のティーアドバイザーであった方。
今でも“○○茶葉使用“をラベルにうたっているのは、茶葉に誇りをもっていた磯淵氏の
教えがあるのでしょう。
いつしかお店もその場所から姿を消し、ひっそりと江ノ島の近くのこじんまりした店舗へ引っ越してしまった。
店が越してすぐの頃に訪問してみたが、正直紅茶のサーブの仕方を見て名店が一つ消えたかとすごく寂しかった。
ちょうどMIA、MIFで論争に一定の判断がでた後だったからその影響があったのかもしれぬ。
MIA、MIFとはミルクティで「ミルクを後入れ(MILK IN AFTER)か先にカップに入れておくか(MILK IN FIRST)」の長年のテーマを指す。このレポートのあと支持されたMIF派が喝采を送りこちらが主流だと言われています。
私は前から ”店ではMIA 自宅は茶葉によってMIA/MIF”でしたが。だって店のサーブスタールによってはMIFは面倒な場合が多いから。
個人的な意見で言わせてもらうと、純粋に茶葉の香りと味わいを判断するにはまずストレートで
飲まないとわからない。そうなると先にイギリスで多いミルクを先に足されているのは好ましくない場合がある。
だいぶ経ったあと江ノ島へ行く機会があり立ち寄った所、サーブをみて「あー肩の力が抜けたのかな」と少し安心。今では昔の店のレベルに復活するのを楽しみにしている。


【ディンブラ】
セイロン7大産地(ディンブラ、ウバ、ヌワラエリヤ、キャンディ、ルフナ、サバラガムワ、ウダプセラワ)の一つ。標高1,200m前後の高地栽培のハイグロウンティの一つ。
華やかな香りでアロマを楽しむヌワラエリヤに対して、コクと味わいのディンブラと評価される。
写真は、BOPのシングルオリジンエステートの茶葉で芯芽(チップ)を多く含むため、豊かな香りも持つ。
※BOP・・・ブロークンオレンジペコー
インドのアッサムと同じでコクのある味わいが特徴。穏やかで上品な香りと深いコクが味わえる茶葉。
ストレートもよいが、個人的にはミルクティーにして飲んでほしい。

